インタビューーサン・フレアとはたらくひと
楽しみながら、言葉と向き合う毎日
KDさん
イギリス出身で、現在サン・フレアにて翻訳やネイティブチェックをされているKDさん。IR関連の投資家向け文書からコピーライティング、ゲーム翻訳まで、幅広い分野で活躍されています。今回は、サン・フレアでのお仕事のことや、フリーランスとして働く日常、今後の展望などについてお話を伺いました。
現在のお仕事について
IR資料や統合報告書、プレスリリースなどの投資家向け資料の翻訳をしています。また、マーケティング関連の案件も対応しています。翻訳がメインですが、ネイティブチェックも行っています。他の方の翻訳も参考になるので、ネイティブチェックもやりがいがあります。「自分ならこう訳するかな」と感じることもありますが、自分の文体に寄せすぎず、活かせる点は活かすようにしています。
ー 翻訳だけでなく、他翻訳者の訳文をチェックするネイティブチェック業務にも携わっているKDさん。チェック業務では、翻訳者の訳文を尊重する姿勢を大切にしているそうです。
IR資料などの専門知識は、実際の業務を通して習得してきました。また過去の資料を参考にしながら身につけています。経済学や企業の経営に関する内容については、その都度調べたうえで翻訳に反映しています。
ー 実案件を積み重ねながら、専門分野への理解を深めてきたと語ります。
日本語との出会いと歩み
日本語の勉強を始めたのは、中学生の頃です。日本のポップカルチャー(アニメ・漫画・ゲームなど)が好きでした。当時は英訳があまりなかったため、早く遊びたい気持ちから日本語の勉強を始めました。
ー 日本のポップカルチャーへの興味が、日本語学習のきっかけだったそうです。
日本語の文字表記、特に漢字が面白いと感じました。難しかったですが、1日4文字ずつ常用漢字を覚えるようにしていました。ロンドンの大学でも日本語を専攻し、日本史や日本文学を学びました。意識して生の日本語を聴いて日本語を学び、身につけました。
ー その後、日本の大学へ交換留学生として1年間留学されました。
帰国後は、日本語を使う仕事がしたかったので、日本製品を扱うお店でアルバイトをしていました。オーナーが日本語を話せなかったため、橋渡しのような役割をしていました。その後、日本の大学院で修士課程を取得し、結婚を機に日本に移住しました。日本の大学で研究を続けたかったというのも移住の理由です。
ー 現在は関西にお住まいになり、フリーランスとして翻訳、ネイティブチェックをされています。
バリバリの関西弁を使っている地域ではありませんが、それでも関西弁と標準語のイントネーションの違いが難しい時があります(笑)。
言葉を仕事へ
修士課程修了後、博士課程に入り研究を続けたかったのですが、研究だけで生活するのは難しくて。アルバイトで翻訳の仕事をすることがあり、それが楽しく、「もっとやってみたい」と思うようになりました。
ー 博士課程在籍中に、チェックの仕事を開始されました。
サン・フレアはアルバイト中に知りました。翻訳とネイティブチェックのトライアルを受けて合格し、ほどなく大型案件のチェックの仕事が入りました。
翻訳とチェックの割合は月によって異なります。半々の時もあれば、翻訳の割合が多い月もあります。今お受けしている仕事のうち、ほぼすべてがサン・フレアからの案件ですね。
ー トライアルに合格されて、サン・フレアとのお仕事を開始されました。翻訳とネイティブチェックの両方で活躍されています。
小さい子供が3人いますので、在宅で仕事をしています。1日の作業時間は8時間くらいです。スケジュールがあくと子どもと過ごす時間も取れるので助かっています。子供には日本語の絵本を読み聞かせていますが、表現について良い教科書になったりします。絵本はネットショッピングで買ったり、本屋さんで買ったりしています。
ー 在宅ワークならではの柔軟な時間の使い方をされています。
印象に残っている仕事
化粧品コピーの翻訳や、コピーライティング、トランスクリエイションの仕事が印象に残っています。じっくり考えてアイデアを練り、複数のコピー案を作りました。緊張もしましたが、良い経験になりました。
ー 化粧品のコピーでは、サンプルをもらって実際に試しながら取り組まれたそうです。
映画紹介の案件や、新しい商業施設の工事案内コピーを執筆した仕事も印象深いです。 また、スマホゲームのストーリー部分のシナリオ翻訳も印象に残っています。ユーモラスな展開で、楽しかったです。
仕事の難しさと工夫
スケジュールの関係で、どうしても時間が取れないとき、ピンチを感じたことがあります。大型案件のトライアルに受かったものの、本発注になったときに他の案件と重なってしまい、残念ながら断ったこともありました。分野的にはやれそうなものだったので、是非にと言っていただいたのですが残念でした。
ー 翻訳の案件はお客様のご依頼のタイミングで発生するため、ときに案件の打診が重なり、やむを得ず断ることも。
イギリス出身なので、イギリス英語とアメリカ英語の違いには気を使います。ビジネス英語ではそれほど違いはありませんが、ゲーム翻訳などは口語が多いので、アメリカ英語では使わない言い回しや表現など、特に注意が必要です。
ー 日頃から表現力維持や向上のためのインプットも意識して行われています。
ポッドキャストで本の朗読を聴いたり、ノンフィクションを読んだりして英語の表現を意識しています。
翻訳の魅力
翻訳作業そのものが好きなので、一日中語学を使った仕事ができるのはとても幸せです。言語能力を使うことができて、さまざまな資料が読めるということも幸せですね。AIの時代に、人間である自分に仕事がくることもありがたいと思います。
ー 翻訳を通して知識が蓄積される点にも魅力を感じています。
翻訳すると内容が自分の頭に残るので、いろんな勉強にもなり自分の蓄積にもなります。 意味が分かるだけではなく伝わる表現にすることなどを考えると、人間の仕事はまだ残っていくのではないかと考えます。
ー 通訳もされたことがあるそうですが、翻訳の方が向いているとおっしゃいます。
大学で通訳の仕事をしたこともあります。前もって資料をいただき、下調べをしたうえで行う通訳も経験しました。通訳はスリリングでしたが(笑)、自分には翻訳のほうが向いているし楽しいですね。
今後の展望―楽しみながら挑戦し続ける
これまでさまざまな案件を経験してきました、引き続き幅広い分野で多様な案件にチャレンジしていきたいです。できればフィクションや物語性のあるもの、ゲームなどをもっとやってみたいと思っています。
ー 引き合いがあったものの、AIでやることになったケースもあったそう。
だからこそ、人間味を活かして、そういう分野にさらに力を注いでやってみたいですね。 どの分野でも初めての経験は楽しいので、常に新しいチャレンジを続けていきたいと思ってます。
編集後記
イギリス出身で、西日本にご家族と暮らしながら翻訳・チェックの仕事に従事しているKDさん。流ちょうな日本語の背景には、習得までの地道な努力と、それをなし得た実直な性格が伺えます。一つ一つ言葉を選んで丁寧に話してくださるお人柄から、仕事に対する誠実な姿勢も垣間見えました。今後もさらにお仕事の実力に磨きをかけて行かれるよう、期待しております。
伝える力が、価値を生む。
サン・フレアでその力を発揮しませんか。